喜喜茶の店主のひとりごと

お茶や着物のまわりのあれこれ。 日々の暮しや旅先で見つけた、あんなもの、こんなもの。

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最後のお稽古

いつかはやってくると分かっていても、心の準備は出来ていたつもりでも、そのときがくるとどうしようもない気持ちになる。それは別れの時。

今日は茶道のお稽古、最後のお茶会。そしてこれが最後のお稽古。
一月の初釜で今年一年よろしくお願いしますとみなさんでご挨拶した時には、またそのうちお稽古に復帰できるだろうと思っていた。出産してしばらくはお休みさせてもらっても、ずっとずっと茶道は続けていけると思っていた。

でも終わりは思ったより早くやってきてしまった。
先生が体調不良のため、奈良を離れられることになってしまった。

いつもよりたくさんのお客さまをお迎えし、最後にやってきたのは母と旦那とおちびさん。
お茶を点てながらこの10年ほどの間にこの場所で過ごしたことが頭のなかをよぎった。

盆点てから始まり、お薄、お濃い茶、四カ伝。
早く覚えたくて帰ってきたら一所懸命頭の中で思い出しながらノートにとった日々。中国茶にくらべてなんて決まりが多くて面倒なんだろうと思ったこともあった。

それがある時ふと体が、手が勝手に動いて、心が無になった瞬間があった。
その時私は何かに少し疲れていた頃だったかもしれない。
しゅんしゅんと音を建てる釜の音を聞きながら、ただ誰かのためにお茶を点てる。
それがとても気持ちよかった。

それからもいろんなことがあっても、この時間が私を正しい位置に戻してくれた。
土曜日だったので働いていたときは貴重な休みにどこか出かけたいと思うこともあったし、正直行くのが面倒だと思うこともあった。
でも悲しくて落ち込んで下を向いているような日も、ここでお茶を点てていたら不思議と心が休まって帰る頃にはリセット出来ていた。
辞めることはいつでも出来たけれど、不思議と通い続けた。

最後に生徒さんたちでお茶を飲んだ。
最後のおしまいをさせていただいた。
茶室の外に座り「ありがとうございました」と頭を下げた時、こみあげてくるものが抑えられなかった。

もっと、もっと、ここでお茶を点てたかった。

私が先生から、茶道から教わったものは何だったんだろうと改めて思う。
それは技術や流儀などではない。お茶の入れ方でもない。

春夏秋冬、季節を感じて、花を飾り、道具をあつらえる。
お茶をいれる人と飲む人が、たった一杯のお茶でつながる。

一期一会。

やはりこの言葉になるのだろうか。うまく自分の言葉で表現できないのがもどかしい。

資格もお免状もいただかない。何かが上手くなるということでもない。誰かに見せるわけでもない。

それでも。
形にならない、目に見えないことでも、これが大事ということは自分で分かっている。
それでいいのだと思う。

そんなものに自分の人生で出会えたことに感謝。
ありふれた言葉だけど、ありがとう。

先生、長年のご指導ありがとうございました。
ゆっくりと、ゆっくりとお体休めてください。

P8245070.gif
最後の主菓子。「萩の露」



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  1. 2008/08/23(土) 23:51:41|
  2. 日本茶
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

涙・・・

よくわかります。
私もお休みしているけれど、先生に会いに行きたくなりました。
  1. 2008/08/25(月) 15:25:45 |
  2. URL |
  3. 飛鳥 #9L.cY0cg
  4. [ 編集]

そうですね

終わりって突然くることもあるんですよね。
その時になって、ああしておけばよかったとか思ったり。
会いに行かれたら先生、喜ばれることと思います。
  1. 2008/08/25(月) 23:07:27 |
  2. URL |
  3. 喜喜茶の店主 #-
  4. [ 編集]

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